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中学生になると、一人につき一体のアンドロイドを支給される。そう聞いてから、俺、田中海人は中学生になるのが楽しみで仕方がなかった。
「中学校では、勉強がうんと難しくなるぞ。例えば算数が無くなって、数学っていう科目になるんだ」
兄さんからそう聞いた時は一瞬だけ憂うつな気持ちになったけれど、どうやらその数学もアンドロイドが解き方を教えてくれるらしい。それだけではない。一緒にゲームもしてくれると聞いた。なんだよ、最高じゃないか。
そうして俺は、わくわくしながら小学校を卒業し、中学校へ進学した。晴れて、アンドロイドと共に暮らす生活がはじまったのである。
アンドロイドの見た目は、人間と瓜二つだ。街ですれ違っても、人間なのかアンドロイドなのかは区別がつかない。性別も年齢も人種もさまざまな種類が製造されていて、各人への支給はランダムに行われる。
俺の元に来たのは、30代位の日本男性アンドロイド。母さんは「精たんな顔つきね」、父さんは「部下に欲しいタイプの出で立ちだな」と言っていた。
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