【不良品シングルマザーと呼ばれ】

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それから……。 恵美子は貞治の家に引っ越した。 貞治は自分が恵美子と真里亞の面倒を見るから……と恵美子に言ったが、恵美子は自分が働いたお金で真里亞を養いたい……と、頑張って働いた。 そんな恵美子に惚れ込んだ貞治は、毎晩のように恵美子を抱いた。 真里亞が幼稚園へ通園できるようになった頃。 恵美子が妊娠した。 本妻は怒って貞治に離婚を申し入れた。 そうなると橘 貞治組の規模が小さくなってしまうが、貞治の人望は高く、殆どの組の男たちは貞治の元に残り……当然、時宗も……しのぎに精を出して、橘一家を支えてくれた。 それから貞治と恵美子は盛大な結婚式をあげた。 真里亞は、 「おじぃちゃんとママが結婚するのぉ?変なの?」 と、不思議そうな顔をしたが恵美子の艶やかな花嫁姿を見ると嬉しそうに、喜んでいた。 恵美子は…… いつか真里亞には本当の事を話した時に、どんな反応をするか不安だと貞治に言ったが、貞治は、 「なに。これから、もっともっと幸せになれば、真里亞ちゃんも納得するじゃろう」 と言って、恵美子を安心させた。 橘一家の組員たちも、もろ手を挙げて新しい貞治の妻である恵美子が『姐さん』になる事を祝福してくれた。 ここで、恵美子の新たな人生の幕が、ここで開いたのであった。
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