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あ、奴があの子のお弁当からおかずを一品勝手につまんで食いやがった。
うわ、怒ったあの子がポカポカ叩いても猫ぱんちみたいで可愛いだけだしぃ。
……みたいな感じで、授業中以外はいっつも二人の仲良しっぷりを指をくわえて見ているしかない。
だって俺、大好きなあの子には緊張のあまり普通に話し掛けることさえ出来ないからね。
いやん、俺ってばヘタレ純情さん。
他の子なら全然大丈夫なのにねー。
だから余計に羨まし過ぎて、はらわた煮えくり返るんだよ。
俺は好きな人だけを見たいのに、何で授業中以外ほぼ100パー大嫌いな奴まで視界に入れなきゃならないのかなぁ。
しかもあいつ絶対俺があの子のこと好きだって気付いてるし!
たまに目が合うと、ニヤッて意地の悪そうな笑い方してくるから。
くっそ、あんな奴消えちゃえば良いのに。
誰か良い方法、知らないー?
そんな風に苛々する毎日を過ごしていたら、今度は別の噂が流れ始めた。
大好きなあの子が、俺の大嫌いな奴の親衛隊を作ってしかも隊長になっちゃうとか。
え、冗談だよね。
それはつまり、あの子が奴を好きってことでしょ?
仲良しのお友達じゃなく、ラブ的意味で。
だけど恋人じゃなくて親衛隊……って何それ、あの子が奴に片思いしてるの?
は?
待ってよマジで羨まし過ぎる。
もしかして奴に土下座して頼んだらそのポジション俺にくれたりしないかなぁ……じゃなくて。
そろそろ奴への憎しみ(嫉妬)が俺の限界値を超えそうなんですけどー。
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