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「い、嫌だ! 囮なんて絶対やらないぞ!」
「なんでですか! この作戦なら勝利は確実ですよ!」
「確実だよ! お前の勝利がな!」
「二人の勝利ですよ! 一緒に天下統一しましょうよ、殿!」
「殿言うな! ていうかお前、絶対横から1位掻っ攫う気じゃん! 天下横取りする気じゃん!」
「……チッ、この大うつけめ」
「大うつけ!? なんで大うつけ!? 無性に腹立つんだけど! 普通に大馬鹿とかじゃダメだった!?」
醜く言い争う間に、敵は目の前の障害物から飛び出して近くの建物の中へと避難した。
しめたとばかりにヒデミツが言う。
「チャンスですよナガノブさん! 奴ら、あんな袋小路に逃げ込むなんて……狭い場所に逃げ込む人間の本能が仇になりましたね!」
「ほほほ、本能!?」
「今のうちに建物に火をつけて焼き討ちにしてやりましょう!」
「焼き討ちっ!?」
「うるさいな! なんすかさっきから!」
「わかんない! わかんないけど、ヒデミツさんに『本能』とか『焼き討ち』とか言われると、なんか背中がゾワッゾワするっ!」
「意味わかんないですよ! 俺はただ、狭い場所に逃げ込む本能が仇に……」
「謀反っ!?」
「そんなこと言ってないっすけど!?」
自分でも説明できない嫌な感じに戸惑う長信。
こちらが揉めてる隙を見て、建物の上から敵の銃弾が次々と襲い来る。どうやらヒデミツが先に標的と定められたようで、彼の体力ゲージがみるみるうちに減っていく。
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