第1話 うちの娘。

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第1話 うちの娘。

 ――2023年6月19日(月)。 「ママ~、お腹痛い……気持ち悪い……」 「はいはいはいはい、月曜日特有の学校行きたくない病ですね。あんた昨日さんざん科学館で走り回っておいて平日にそれじゃ、休みの日にどっか遊びに行くこともできなくなるよ?」  布団から起き上がろうともせずにぐだ~っとしている娘を前に、つい鬼母になってしまう佐倉である。  栃木県南部の某市に住む我が佐倉家、四人家族。  建築・建造業の小さな会社に勤める夫氏と、TL乙女系ジャンルを中心に執筆している商業小説家のわたし、小学四年生の娘・○子と、小学二年生の息子・○市で、2LDKの賃貸アパートにて細々と生きております。  で、娘は入学直後からずーっと『学校に行きたくないタイプ』で、一年生は登校拒否を起こしながらもなんとか三学期には普通に登校できるようになり、二年生のときも一学期だけ送り迎えが多かったけど、その後は普通に登校していた。  問題は三年生の時。同じ学年の男子複数にからかわれたことをきっかけに、これまでの比ではない登校拒否を起こし、こっちも車から引きずり下ろすのが日常的に。  というわけで担任・支援コーディネーターの先生と面談ののち、支援級クラスが入っている別室へ通うことになり、11月までそちらを中心に登校し、持ち直したところで通常クラスに戻る、という感じに過ごしておりました。  んが、四年生になって早々に、娘には受難の日々が待っておりましてね。  なんと一学期の始業式の日、放課後に家の前で遊んでいたら足をグキッとやっちゃって、捻挫診断により一週間の松葉杖生活。  ようやく松葉杖が取れてサポーターになったけれど、やっぱり通常どおりとは行かずに普通の生活すら痛みを感じる難儀の日々。  で、ようやく足の痛みが取れたと思ったら、疲れが出たのか一気に発熱。息子がその前の一週間ちょっとゴホゴホやっていたのが移ったのもあったんだろうね。  あとは本人の希望で新年度に合わせて英語塾をはじめたんだけど、これもプレッシャーだったようで。  本人的には「今年はあさがお教室(別室)にはなるべく行かないで、普通級で過ごす!」みたいな目標もあったらしく、これも、まぁプレッシャーのもとだったんだろうね。  発熱の原因は喉の風邪だけど、昔から熱を出すと吐いちゃうタイプだから、38度の熱が出た日にゃ、本人も込み上げる吐き気と熱のせいで気分も悪く機嫌も悪く、ひたすら「うえぇえん」と泣いている感じ。  熱があるけど小児科で見てもらえるかなぁと電話すれば『発熱がある場合、コロナやインフルエンザの検査をする場合はきていただきたいのですが、そうでなければお母さんだけきていただいて、先生に症状をお伝えしてお薬を出してもらう感じになります』と言われるという。  同じクラスにインフルの子もコロナの子もいないということなので検査は断り(鼻の奥までぐりぐりされるのつらそうだし、その拍子にオエェエって吐かれたら地獄やん)、娘を置いて息子とわたしだけで小児科に向かい。  息子も長らく咳やらなにやら続いていたけど薬をもらえて一安心。……なんだけど小児科、とにかく混んでいて待ち時間が長かった!  とても薬局で待てないと思って、いったん家にとんぼ返りし、夫に早退をお願いして薬局に行ってもらうことにして、わたしは吐き気で苦しむ娘の隣で洗面器を持ちつつ背中をさすってあげる(息子は居間でのんびり動画見てた)。  二度ほど大きくマーライオンした娘にこっちも疲れつつ、夫が薬局が閉まるギリギリの時間で薬をもらってきてくれて、なんとかそれを飲ませてほっと一息。  あまりにひどい有様だったからか、担当の編集様から「金曜日〆切の原稿、月曜日でも大丈夫ですから……!」とDMが届く。涙が出るほどありがたかったけれど、そもそもこの原稿、すでに一週間ブッチしているだけに心が痛い。  とにかく受難の4月だったのよね……。
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