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[3日・4日]
瞳の日の朝が訪れた。枕時計が8時を示していた。洗顔後、台所の電気ケトルに水を足した。沸騰後、即席コーヒーを淹れた。値引きドーナツを食べながら、熱いやつを飲んだ。ポータブルDVDプレーヤーの電源を「ON」にした。二杯目を飲みつつ、ゴジラVSモスラの音声解説を聴く。まことに面白い。電源を切り、愛機を起動させた。エブリスタを呼び出し、闇塚写真帖の編集に没頭した。2022年篇を完結させた。投稿数843枚。出来はさておき、よく撮ったものだ。
シャットダウン視認後、簡単な食事を済ませた。身支度と戸締りを終えてから、部屋を離れた。剥き出し階段を下り、町外れの古書店まで歩いた。途中、公園に寄り、園内を散策した。噴水広場で、戦闘天使(等身大、全裸)と警官数名が何やらもめていた。関わりになりたくないので、足早に通り過ぎた。
古書店に着いた。各棚を眺め、欲しい本、読みたい本を抜き取る。小説、随筆、指南書など、計6冊を勘定場に運んだ。千円札でお釣りが来た。NHKラジオ第1の『反田恭平のピアノ・ジャム!』(再放送)を聴きながら、帰路を歩いた。弁当屋とスーパーに寄った。部屋に戻り、腕立て伏せを百回。六日分の髭を剃ってから、シャワーを浴びた。酒食の後に『王家の血 中篇』を観るつもりである。
♞今宵の酒は、国産洋酒と芋焼酎。肴はメバチの刺身。飯はおにぎり弁当。
石の日の朝。代役パーソナリティのあまり面白くない話を聴きながら、地元駅に至る道を歩いた。車両に乗り込み、空いているスペースに腰をおろした。第二の短篇『女よ、故郷を見よ』の続き。車窓の向こうで夜明けが展開する前に眠りの沼に落ちた。終点下車。牛丼屋に寄り、一番安い朝飯の券を買った。鶏卵を割り、適量の醤油を垂らした。ぶっかけざまに、ガガガとかき込んだ。
チャージ専用のマシンに買物カードを挿し込み、二千円分を入金した。食堂に足を進め、ホットコーヒーの券を買った。壁際の席を選んだ。ケロニ屋の粒あんパンを食べながら、それなりに熱いやつを飲んだ。ゴミを始末してから、休憩場所へ移動した。長椅子に座り、故郷を見よの続き。読後、目蓋を閉じた。夢の中に等身大ラゴンが現れ、弁当をくれた。おかずは、オクラの肉巻きと切り干し大根煮。
北極圏の「二月八日」を読む。極限状況下で食べるカリブーの冷凍肉。どんな味がするのだろうか。下車後、改札を抜けた。他者の邪魔にならないところから弁当屋に電話をかけた。応答なし。ラジオから流れてくる芥川龍之介の『杜子春』を聴きながら、家路を歩いた。朗読は木村多江。スーパーとコンビニに寄った。夕刊紙の見出しは「紅白は視聴率ワースト2位で土俵際」であった。
♞酒は「山崎」の軟水割り。肴は豆腐、からし菜、鮪の刺身。飯は天丼弁当。
[5日]
代役パーソナリティの映画の感想を聴きながら、地元駅に至る道を歩いた。これを聴いて、その作品を観たいと思う人は少数であろうと俺には考えられた。毎日のように、自動階段の乗降口付近に政治屋さん(多分)が立っているが、彼らがどういう効果を狙っているのか、俺には皆目わからない。車中で『故郷を見よ』を読み終えた。終点下車。親子丼屋に寄り、目玉焼きで丼飯をかき込む。
券売機に買物カードを挿し込んだ。ケロニ屋のクリームパンを食べながら、コーヒーを飲んだ。隣りのテーブル席に視線を移すと、等身大ギガスが、材料と調理道具を持ち込み、鮮やかな手つきでドーナツを揚げていた。午後、近傍の孤児院におもむき、子供たちに配るらしい。休憩場所の長椅子に腰をおろし、第三の短篇『ほろびの都市』を読み始めた。約20分仮眠。
北極圏の「二月十一日」を読む。冒険を達成に導くためには、時に悪魔的な冷酷さが求められる。だが、植村さんは悪魔に成り切ることはできないのだった。地元駅の改札を抜けた。適当なところで足を止め、弁当屋に電話をかけた。応答あり。帰途、スーパーとコンビニに寄る。夕刊紙の見出しは「不況加速 賃上げ絶望」であった。酒食の後に『スパイ大作戦/王家の血 後篇』を観るつもりである。
♞酒は「山崎」の軟水割り。肴は刺身六種と三野菜の糠漬け。飯は海苔弁当。
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