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[27日]
500メートルを走り終えたところで、ラジオの電源を入れた。おはよう一直線を聴きながら、駅まで歩いた。少し頭を使えば、電気代の値上げなんてしなくても済むそうである。是非実行してもらいたい。第九の短篇『初手柄宇宙邂逅』の続きを読んだ。終点の改札を抜けて、牛丼屋へ体を運んだ。飯の上で温泉卵をつぶし、適量の醤油を垂らした。敢えて美味は求めぬ。胃袋が埋まれば良い。
いろいろ重なり、昼のコーヒーを飲み損ねた。まあ、仕方がない。こういう日もあるのだろう。休憩場所の長椅子に腰をおろし、ケロニ屋のチョコチップフランスを齧った。イソップ第3話の続き。有名なアリとキリギリス。原話ではキリギリスの役を、セミが演じているらしい。この年齢になるまで、まったく知りませんでした。読後、目蓋を閉じた。睡魔に捕獲され、そのまま永眠した……。
数分遅れで、地元駅に着いた。改札を抜けて、デパートの地下売場に潜る。俺が買う筈のものが棚から全部消えていた。地上に出て、弁当屋に電話をかけた。応答なし。飲食街の居酒屋に行き、テイクアウト商品を選んだ。女将さんに代金を渡した。帰途、コンビニに寄った。夕刊紙の見出しは「未来志向の笑止千万 勘違い発言連発に国民イラッ」であった。家に戻り、腕立て伏せを80回やる。
♞酒はトリスの「自然が磨いた天然水」割り。肴は刺身四種と烏賊の天ぷら。
[28日]
無難に500メートルを走り抜けた。月曜日(一週間の内、最もしんどい)に比べると、体はかなり楽である。時間に正確に滑り込んできた電車に乗り込む。座りざまに、本を開く。初手柄宇宙邂逅を読み終えた。漢字とベランメエ。二つの星が登場するなかなか面白い話であった。蕎麦屋の暖簾を割り、オムライスと小うどんを注文した。店内に尾崎豊の歌が流れていた。
食堂の券売機に買物カードを挿し込み、ホットコーヒーを選択した。残金が削られ、券が発行された。カウンターでカップを受け取り、抽出マシンに仕掛けた。ケロニ屋のクリームパンを食べながら、コーヒーを飲む。隣席のラゴンが、感情が死んだみたいな表情で、日替わりランチをぼそぼそ食べていた。何やらトラブルに巻き込まれ、弁当を作り損ねたらしい。卓上を片づけてから、仮眠場所へ移動した。
イソップの第4話「ストーリーは旅をする」を読み始めた。地元駅に着いた。直結スーパーに入り、値引き白飯を二つ買った。飲食街の居酒屋に足を進め、もつ煮と銀葉藻を買った。ラジオの気象情報を聴きながら、帰路を歩く。道中、コンビニに寄る。夕刊紙は「大甘発言 物価高放置」であった。自室に戻り、温水を浴びた。酒食の後に『今夜はコの字で』(の1枚目)を観るつもりである。
♚『地球が静止する日』の鉄牛。飯塚昭三さんの御冥福をお祈り申し上げます。
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