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3月
[1日・2日]
約500メートルを走った。呼吸を整えながら、携帯ラジオの電源を「ON」にした。聴きつつ、駅に至る道を歩いた。話題は「いまだによくわからない新しい資本主義」について。乗りざまに、最後の短篇『有袋惑星花決闘』を読み始めた。終点の改札を抜けて、親子丼屋へ向かった。券売機で二番目に安い定食を買った。店内は混雑していた。飯の上で目玉焼きを壊し、醤油を垂らした。
入金機に買物カードを挿し込み、千円分をチャージした。ケロニ屋に入り、新商品をレジへ運ぼう…と考えていたのだが、既に売り切れていた。なかなかの人気である。食堂に足を進め、ホットコーヒーを買った。飲みながら、チョコチップフランスを齧った。今日も「何か」が起きたらしい。隣席の等身大ラゴンが、この世の終わりを迎えたみたいな表情で、日替わりランチを食べていた。
最後の短篇を読み終えた。続いて、福島正実先生の解説を読んだ。国産SFを愛する者としては、大変興味深い内容であった。地元駅下車。直結スーパーに入り、白飯を買った。ラジオから流れてくる貴重な情報を聴きながら、家路を歩行した。途中、コンビニに寄った。夕刊紙の見出しは「五輪談合直撃 サミット暗礁」であった。酒食の後に『コの字』の第2話を観るつもりである。
♞トリスの「富士のおいしい水」割り。肴はキハダの刺身とタコのぶつ切り。
新潮文庫を開いた。水上勉の『土を喰う日々 わが精進十二ヵ月』を読み始めた。三國連太郎主演、内田吐夢監督の『飢餓海峡』の原作者、水上先生の作品を読ませていただくのは今回が初めてである。終点下車。蕎麦屋の暖簾を割り、女将さんに朝の定食を頼んだ。未知の歌を聴きながら、かき揚げうどんをすすった。目玉焼きの黄身の部分を飯の上でつぶし、ガガガッとかき込んだ。
食堂の券売機に買物カードを挿し込み、ホットコーヒーを買った。ケロニ屋の新商品を試しながら、コーヒーを飲んだ。近くの卓席で、海底原人と雪男が食後の将棋を楽しんでいた。ラゴンの三間飛車に対して、ギガスは「鳥刺し」(角道を閉ざしたままで戦う奇策)で応じていた。休憩場所の長椅子に座り、土を喰う日々「一月の章」の続き。塩で食べる焼きくわい、美味しそうである。
電車の運行に遅れが生じていた。イソップ第4話の続き。ソロモン王と大岡越前の意外な関係に驚く。地元駅下車。直結スーパーに足を進め、食品売場を眺めた。欲しいものを篭に入れ、レジへ運んだ。飲食街の居酒屋に行き、テイクアウトをひとつ。帰途、コンビニに寄った。夕刊紙の見出しは「談合五輪と酷似の闇」であった。酒食の後に『コの字』の第3話を観るつもりである。
♞酒は黒霧島の「自然が磨いた天然水」割り。肴はモツの煮込みと刺身六種。
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