3月

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[25日・26日]  眼が覚めた。枕時計の長針と短針が「朝の8時」を刻んでいた。体を起こしざまに、寝室のカーテンを開けた。昨日も雨、今日も雨。さすがにウンザリだ。近所の公園へ花見に行こうにも、この天気ではどうにもならない。洗顔後、電気ケトルに水を足し、湯を沸かした。敷島製パン社の「たっぷりホイップクロワッサン」を食べながら、インスタントコーヒーを飲んだ。  二杯目を居室へ運んだ。ポータブルプレーヤーの電源を「ON」にした。自動的に田宮二郎主演『白い荒野』(の2枚目)の再生が始まる。第8話「栄光がくずれる日」を観る。権力(ちから)を持たぬ者は正義も信念も貫けない。に辿り着いた(着いてしまった)主人公仁科は、野望の鬼と化して、重役の椅子を狙うのだった。まさに田宮さんが演じるべきキャラクターである。  雨が一旦やんだ。装束を改め、部屋を出た。コインランドリーへ足を進めた。混雑を予想していたが、実際の展開は違った。空いているマシンに数日分の衣類をおさめた。持参の粉末洗剤の封を切り、それらの上に撒いた。水洗いの標準コースを選択。指定の金額を滑り込ませてから、スタートボタンを押した。  部屋に戻り、脱水ものを吊るした。作業後、再び外出。傘を差しつつ、町の中心へ歩く。デパートの中にある百円ショップに行き、日用品を買った。飲食街の居酒屋に行き、テイクアウト商品を買った。ショッピングセンターに寄り、甘味と酒とパン類を買う。約3千円が消える。帰宅後、四杯目を淹れた。飲みながら、メディアパル社の『蘇る 伝説のRPG大全 黎明期編』を再読。 ♞ブラックニッカの「天然水 南アルプス」割り。肴はズワイガニの塩ゆで。  洗面所に入り、歯を磨いた。口中をうがい液ですすいでから、居室に戻る。ポータブルDVDプレーヤーの電源を「ON」にした。チャールズ・ブロンソン主演、マイケル・ウィナー監督の『狼よさらば』(日本語吹き替え版)を観る。一番好きなブロンソン映画である。鑑賞回数は十回を超えていると思う。  ごろつき三人組に幸福な家庭を破壊されたポール・カージーは、憤激と絶望の果てに〔闇の処刑人〕となって、独自の闘争を開始する。前半、銃殺者に至る経緯が丹念に描かれており、後半の展開にある程度の説得性を与えている。ポール覚醒のきっかけを作る陽気なアリゾナ男、スチュアート・マーゴリン。ポールを追跡するヴィンセント・ガーディニア警部。脇役もいい味だ。 bc931df1-a27e-4975-84e3-11f798295bf1  目蓋を開けると、翌日の朝になっていた。洗顔後、台所のケトルに水を足した。沸き立ての湯で、即席コーヒーを淹れた。近所のパン屋で買った「ふんわり粒あんドーナツ」を食べながら、熱いやつを飲んだ。愛機起動。二杯目を飲みつつ、ぴよ将棋を指す。金二枚と角二枚を投入して、の玉を詰める。  施錠後、家を離れた。貸しDVD屋に足を進め、借りていた3枚を返却した。今週の3枚を借りてから、店を出た。帰途、新本屋に寄り、新本を一冊買った。弁当屋に寄り、カツカレーを買った。スーパーに寄り、マグロのたたきとタコのぶつ切りを買った。家に戻り、テープに録音したマーチンの番組を聴きながら、腕立て伏せをやった。二日分の髭を剃ってから、温水を浴びた。 ♞TBSの『ラジオで語る昭和のはなし』が今宵終幕。まったく残念である。
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