蛮人日記２０２３

４月

［９日・１０日］

　洗面所に入り、歯を磨いた。水で薄めた洗口液で口中を清めてから、居室に戻った。ポータブルプレーヤーの電源を「ＯＮ」にした。自動的にアラン・ドロン主演の『サムライ』の再生が始まる。ドロン氏が孤高の暗殺者を演じている。この映画を鑑賞するのは、これが三回目だが、前回も前々回もラストシーンの意味がわからなかった。今回もやっぱりわからなかった。多分次回もわからないだろう。サムライのフランス公開は１９６７年。同じ年、日本では市川雷蔵主演の『ある殺し屋』が公開されている。共演は野川由美子と成田三樹夫。

　枕時計が「朝の８時半」を示していた。起きざまに、寝室のカーテンを開けた。窓ガラス越しに、待望の青空が見えた。居室の吊るしものを全てバルコニーの竿に移した。台所の電気ケトルに水を足した。沸き立ての湯で、インスタントコーヒーを淹れた。タカキベーカリー社のチョコチップクッキーを食べながら、熱いやつを飲む。二杯目を淹れた。飲みつつ、昨日買った「週刊文春エンタ＋シン・仮面ライダー」に収録されている池松・浜辺・柄本の鼎談を読む。

　施錠後、自室を離れた。階段を下り、隣り町の方角へ歩いた。中華料理屋の暖簾を割った。カウンターの一番奥の席に座り、ホルモンの味噌炒め定食を頼んだ。期待と実際の味に相当な隔たりがあった。貸しＤＶＤ屋に足を進め、借りていた３枚を返却箱におさめた。必要な手続きを済ませてから、今週の２枚を借りた。帰路の途中、古着屋に寄り、マウンテンパーカーを一着買った。

　自室に戻り、荷物をおろした。投票所におもむき、ダッカー公認、ショッカー推薦の地獄竜に我が一票を投じた。勿論ウソである。帰途、百円ショップとスーパーに寄った。腕立て伏せを８０回やってから、浴室で温水をあびた。

♞ブラックニッカの「キリンの天然水」割り。肴は豆腐。飯はおにぎり二つ。

　歩数計の付属時計が「朝の５時４５分」を示していた。約五百メートルを走り終えてから、ラジオの電源を入れた。おはよう一直線を聴きながら、駅に至る道を歩いた。停車中の車両に乗り込み、腰をおろせるスペースを探した。トキオ・ウィルス収録の「バイオの力」を読む。食事の前には極力避けたい内容だった。蕎麦屋の暖簾を割り、代金を渡す。うどんと目玉焼きで飯を食べた。

　チャージ機に買物カードを挿し込み、千円札二枚を吸い込ませた。残金に同じ数字が加算された。食堂の受け取りカウンターで、券とカップを交換した。抽出マシンに仕掛け、ホットのボタンを押した。窓辺の椅子に座り、ケロニ屋の新商品を試した。初の空振りかも知れない。仮眠場所へ移動。京都、夏編６日目「カレーそばとにごり酒お燗」を読み始めた。五条の名店〔辨慶〕登場。

　６日目読了。高倉二条〔ごとし〕の鴨鍋が旨そうだった。数分遅れて、地元駅に着いた。改札を抜けて、デパートの地下売場に潜った。白飯二つをレジへ運んだ。飲食街の居酒屋に足を進め、テイクアウト商品を二つ買った。帰途、コンビニに寄る。夕刊紙(ゲンダイ)の見出しは「圧政、暴政に麻痺してきたか、選挙民」であった。自室に戻り、昨夜の『オンザレディオ』を聴きながら、腕立て伏せをやる。

♞酒はブラックニッカの「富士のおいしい水」割り。肴は煮魚と刺身四種。