5月

10/10
前へ
/85ページ
次へ
[29日・30日・31日]  約500メートルを走り終えてから、ラジオの電源を入れた。おはよう一直線を聴きながら、駅まで歩いた。歩廊へ足を進め、停車中の車両に乗り込む。発車と同時に掌篇集を開いた。第十八の『年期』と第十九の『老獣』を読む。終点下車。立ち食い蕎麦屋の暖簾を割り、カレーライスの券を買った。食後に冷水を体内へ流し込む。食器類を返却棚におさめてから、蕎麦屋を離れた。  受け取りカウンターで券とカップを交換する。抽出マシンにそれを仕掛け、ホットのボタンを押す。窓際の席に座り、マスクを外した。ガラス越しの風景を眺めながら、ケロニ屋のクリームパンを食べる。卓上を片づけてから、休憩場所へ移動した。長椅子に腰をおろし、音次郎の「すいべら」の続き。同じ渡世人でも、紋次郎先輩とはまったく異なるヒーロー像。読後、約20分まどろむ。  車内で「すいべら」を読了した。すいべらとは「手拭い」のことである。地元駅下車。デパートの地下売場にもぐり込み、値引きライスを買った。気象情報を聴きながら、帰路を歩いた。途中、スーパーとコンビニに寄る。夕刊紙(ゲンダイ)の見出しは「決裂 高笑い」「トレード志願あるぞ」「国民愚弄の横暴政治」など。家に戻り、テープに録音した『オンザレディオ』を聴きつつ、腕立て伏せを85回やる。 ♞ブラックニッカの「岐阜養老の天然水」割り。マグロの刺身とポテト料理。  傘の表面に付着した水滴を迷惑のかからないところで払ってから、自動階段(エスカレーター)に体を乗せた。車両に乗り込み、腰をおろすところを探した。扉が閉まり、電車が動き出す。最後の掌篇『終わりは始まり』を読了した。大多和伴彦の解説も読了した。終点の改札を抜けて、立ち食い蕎麦屋の暖簾を割る。ざるそばの券を買った。毎日カレーではさすがに飽きます。ラジオを聴きながら、職場に至る道を歩いた。話題は「パパと息子。そして、親戚さんたちの感覚」について。  入金機に買物カードを挿し込み、紙のお金を吸い込ませた。残金に「2000」が加算された。ケロニ屋に入り、黒糖パンを買った。売店に入り、一番安いおにぎりを買った。食堂に足を進め、通路際の席に陣取る。初めにおにぎりを腹におさめた。次にパンを齧りつつ、コーヒーを飲む。休憩場所へ移動した。長椅子に座り、獏さんの『天海の秘宝/序の巻』を読み始めた。  秘宝、巻の一「からくり屋敷」を読む。地元駅下車。改札を抜けて、家路を歩いた。道中、お好み焼き屋でテイクアウト商品を買った。スーパーとコンビニに寄った。夕刊紙の見出しは「〔退職金・ボーナス狙い〕の憶測…慌てて火消しの姑息」であった。夜の7時に帰宅。オンザレディオを聴きながら、腕立て伏せをやる。酒食の後に、千葉ちゃん主演、深作欣二監督の『ドーベルマン刑事(デカ)』を観るつもりである。傑作ではないけれど、俺は好きなのです。 ♞ブラックニッカの鉱水割り。肴は鮪の角切りと鶏の天ぷら。飯は焼肉弁当。  電車が動き出す。左から右へ流れてゆくような風景を眺めながら、生島さんと残間さんのトークを聴いた。ラジオの電源を切り、新潮文庫を開く。T&T情報センター編『みんなで乾杯!ビールを楽しむ本』を読み始めた。古書店で買ったもの。奥付には「昭和60年5月25日 発行」とある。終点下車。牛丼屋に入り、一番安い定食を買った。温泉卵を適度にくずし、醤油を垂らした。  食堂の券売機に買物カードを挿し込んだ。カウンターで券とカップを交換した。抽出されたコーヒーを空いている席へ運んだ。マスクを外し、ケロニ屋の粒あんパンを食べる。隣席の海底原人(ラゴン)が、持参の弁当を使っていた。主菜は、いわしの煮つけ(缶詰)のトマト煮。副菜は、もやしナムルと粉チーズ入り卵焼き。仮眠場所の長椅子に腰をおろし、秘宝、巻のニ「辻斬り」を読み始める。  運行に遅れが発生していた。地元駅のひとつ前の駅でおりた。ここまで来れば、。トラブルの原因はよくわからないが、いつぞやのような馬鹿げた理由ではないことを祈る。帰途、コンビニに寄り、欲しい商品を二つ買った。夕刊紙は「〔どんちゃん忘年会〕を報じなかった常駐メディアはメンツ丸潰れ」であった。オンザレディオの録音テープを聴きながら、腕立て伏せをやる。 ♞酒はブラックニッカの「自然ろ過された天然水」割り。飯は鶏の空揚げ弁当。 df9ec082-388a-47e3-9bdf-dd0c84af5551
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加