6月

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6月

[1日]  ラジオの電源を切り、本を開いた。秘宝、巻の三「悟空」を読み始める。悟空とは、の名前である。終点の改札を抜けて、蕎麦屋まで歩いた。暖簾を割り、代金をおばちゃんに渡した。未知の歌手が歌う未知の歌を聴きながら、オムライスとミニうどん。店を出て、職場まで歩く。ラジオの話題は「無料塾」について。  ケロニ屋に入り、黒糖パンを買う。受け取りカウンターで受け取ったカップを抽出機に仕掛け、ホットのボタンを押した。壁際の席に座り、マスクを外した。近くの卓席で、ラゴン、ギガス、ウー、ジャミラ、ブルトンの五怪獣(※等身大)が、食後のモノポリー()に興じていた。俺も参戦したいが、その時間がない。観戦で我慢するしかなかった。休憩場所の長椅子に腰をおろし、悟空の続き。  悟空を読了した。地元駅下車。飲食街へ足を進め、豚カツ屋の暖簾をくぐろう…としたが、満席のため、断念。デパートの地下売場に潜り、値引きライスを買う。中華料理屋に入り、餃子、茄子の味噌炒めをテイクアウト。家路の途中、コンビニに寄り、かち割り氷と缶入りハイボールを買う。夕刊紙(ゲンダイ)の見出しは「ボーナス返上 官僚困惑」であった。帰宅は8時ごろ。風呂場でシャワーを浴びた。 ♔藤井ちゃん、名人と七冠を。凄い。これが本物、異次元の強さだ! 20789e90-8458-4abc-9a9c-d4fc8a5fd63b [3日]  目蓋を開けると、翌日の朝になっていた。依然続く雨音を聴きながら、洗面所に入った。台所の電気ケトルにミネラル水を足した。沸き立ての湯で、インスタントコーヒーを淹れた。アーモンドパイを食べながら、熱いやつを飲む。  二杯目を居室へ運んだ。ポータブルプレーヤーの電源を「ON」にした。市川崑の『股旅』を観る。1973年に公開されたもの。娯楽性や躍動感はさておき、リアルに迫った渡世人像を描き出したという点においては、画期的作品だと思う。キネ旬ベスト・テン第4位。第2位の『仁義なき戦い』もリアル志向の高い作品。  愛機起動。エキサイトとエブリスタを呼び出し、草小説(ラビリンス)の9頁目を転載した。その際、削ったり、加えたり、直したりするので、結構時間がかかる。気がつくと、雨雲が去り、空が本来の色を見せ始めていた。露台に物干し竿をかけ、昨日洗った衣類やジーンズを吊るす。シャットダウン視認後、屋根裏部屋にのぼる。NHKの「プロ野球2023」を聴きながら、蔵書を整理する。  最後のカギをかけてから、自室を離れた。近傍の中華料理屋へ足を進め、二商品をテイクアウト。家路の途中、コンビニに寄り、食品と飲料の棚を眺める。欲しいものを篭に入れ、レジへ運ぶ。帰宅後、吊るしものを取り込んだ。酒食の後に、藤田敏八の『ダイアモンドは傷つかない』を観るつもりである。最初の鑑賞はテレビの深夜放送だった。山﨑(努)さんの巧演(怪演でもある)が楽しめます。 ♞缶入り酎ハイ。肴は豆腐、長芋の素揚げ。飯は豚肉とニンニクの芽炒め弁当。
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