何だそれ面白い!

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何だそれ面白い!

 自分で言うのもむなしいが、もしかしてヴィンセントは胸があまりない女性のほうが好みなのだろうか。社交辞令にせよヴィンセントの遊び相手として狙われたら困るし、最終的に社交界引退を決意しているし、噂の上乗せになってもいいから『正気か? この娘』と思わせて手を引いてもらおうと思った。  歩き出す気配のないヴィンセントを仰いで、心の底から思いきり笑う。 「もう社交界に嫌気がさしましたので、自力で胸を大きくして社交界に見せつけてからシスターになって引退します」  ヴィンセントからお手本のような笑みが消えて、面食らったような顔になる。これで頭のおかしい娘だと思われて、ヴィンセントの遊び相手候補からは外れただろう。作戦どおりだ。  けれど。ヴィンセントは瞳を輝かせて、ただでさえ近かった身を乗り出してきた。 「何だそれ面白い! そういう方向に行くのか! 協力するよ!」 「はい?」  頭のおかしいことをしようとしているわたくしが言うのも何だが、ヴィンセントも頭がおかしいのだろうか?
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