青は似合わないのよ

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 男性がにこやかに説明してくれる。たしかに家にあるジュエリーと比べたら、見下しているとかではなく事実として、大きさも価格も比べものにならないくらい控えめだ。けれど小さくても、綺麗だ。こういう引きこまれるような色の宝石は、今まで見たことがない。  だけれど。 「何か迷ってるの?」  険しい顔をしていたからか、ヴィンセントにのぞきこまれた。わたくしは言いづらく、目をそらして手元のラズライトに視線を落とす。 「その……ジュエリーにしたいのだけど、青は似合わないのよ。髪と目が銅のような色だから」  わたくしの髪と目はオレンジピンクなので、青が似合わないのだ。ドレスも青を避けて、生成や赤を選んでいる。欲を言えば合わせる色に悩まない金髪に生まれたかったが、こればかりは仕方ない。 「もちろん、似合う似合わないって気にする心がけも素晴らしいけど、ひかれているものが似合わないから諦めるっていうのはもったいないんじゃないかな。ひかれているものなら、自分の好きっていう気持ちに従えばいいと思うよ。誰かのためじゃなく、自分のために」
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