番外編 大館とユリエの恋

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大館は仕方なく電車でユリエの後を追った。 「お嬢、走ってはいけません」 ユリエは段差に躓き、転びそうになった。 それを大館はいち早く、追いつき支えた。 「大丈夫ですか」 「大丈夫よ、余計なことしないで」 ユリエは思ってもいないことを口にした。 本当はありがとうってニッコリ微笑みたかった。 なんて私って可愛くないの? 大館は大きなため息をついた。 仕方なく、ユリエの後を追った。 大学の最寄りの駅に着くと、友美が「おはよう」と声をかけてきた。 「あっ、友美、おはよう」 「あれ、車じゃないの?」 「うん」 「一人?」 「違う、ほら後ろからついてくるでしょ」 友美はユリエの指さす方に視線を向けた。 大館が後をついてきていることに気づいた。 「大館さんになったの」 「そう、この間、無断外泊して友美のアパート泊まらせてもらったでしょ、もうすごい剣幕で怒鳴られて……」
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