第一章 極道新堂健斗

2/11
878人が本棚に入れています
本棚に追加
/191ページ
一人息子である、春日部拓真が新社長に就任することになった。 そしてこの日、三人の女性社員が呼ばれた。 元々社長秘書を務めていた、山本あずささん、第二秘書を勤めていた前山友紀さん、 そして私、総務部のお局、花園かすみ。 なんで私がここにいるの? 「社長、お連れ致しました」 新社長は、本棚の本を整理していた。 高い脚立から飛び降りて、私を含む三人の女性社員を見比べた。 新社長は背が高く、でも筋肉質でがっちりした体型をしている。 目は鋭く、ちょっと怖い雰囲気を醸し出しているとの評判だった。 二人とも二十代、私だけ四十代、これじゃ私、引き立て役だよ。 新社長は舐めるように三人を見比べた。 私はずっと下を向いていた。 「三人ともさがれ」 そして社長室を後にした。 しばらくすると、秘書室にいた二人は総務部にやってきた。 そして私は部長に呼ばれた。
/191ページ

最初のコメントを投稿しよう!