青年期 144

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ーーーー 「ふぅ…美味しかった。ご馳走さーん」 「そりゃ良かった」 「カステラとかフィナンシェの作り方教えて。自分でも作って食べたい!」 「えーと…フィナンシェはこの本だっけ?…違う…これか」 女の子は食後の挨拶をすると作り方を聞いて来るので俺は本棚からレシピの乗った料理本を探す。 「本棚とかあるんだ、意外」 「魔導書とかは盗まれたら困るから持ち歩いてるが料理の本は盗まれても困らねぇからな、また買えば良いし。っと、コレとコレ」 女の子が意外そうに言い、俺は理由を話しながら本の内容を確かめて目的のページを開いてテーブルの上に置く。 「…フィナンシェは『フィナンシュ』なんだ…しかもカステラは『カスティーラ』になってる…」 「まあ国が違えば言葉も微妙に違うってこった。俺が知ってる言葉と似たような言葉やいっぱいあっても全く同じ言葉はあまり無いし」 「…国どころか世界も違うからなぁ…」 レシピを読んで軽く驚きながら呟く女の子に俺がそう返すと微妙な顔で呟かれた。
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