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1日目
朝だ。
いつものように時計を確認する。
朝の7時半だ。
眠たい目をこすりながら、ボサボサの髪のまま玄関に向かって歩く。
眠たいな……。
そういえば、今日は新聞休みだっけ?
パジャマ姿のまま、玄関のドアを開け、郵便ポストの中を確認する。
あ、新聞……あった。あれ?
新聞とは別に、ピンクの便せんが入ってた。
なに、これ……?
新聞とピンクの便せんを持って、部屋に入った。
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【親愛なる貴女へ】
私は貴女の事を愛しています
そして、ずっと昔から貴女の事を知っています。
若い頃は相当苦労されていましたよね。
今はもう……自分の夢を実現させて立派な大人になりましたよね。
こじんまりしたカフェ、名前は確か森の隠れ家でしたっけ?
建設会社で働いていた経験を活かし、自ら設計した建物の間取り。
長い年月をかけて、ようやく去年の暮れにオープンしたとの事。
大変遅くなりましたがおめでとうございます。
いつか、私も行ってみたいです。
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なに、これ……?
私は奇妙な文章に鳥肌が立った。
こんなに丁寧な書き方なのにも関わらず、この人は私の全てを知っている?
気持ち悪い……。
早く、この手紙を捨てたかったが、もしかしたら知り合いが宛名を書くのを忘れてしまったんじゃないかと思うと、捨てるに捨てられなかった。
カフェの営業時間はお昼11時から。
仕込みもある為、朝の8時までにはお店に居なきゃ行けない。
急がなきゃ……。
私は、ピンクの送り主不明の手紙を机の引き出しに入れて、慌てて家を出た。
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