金のスマホ

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         -2-  『金の斧』の話なら私もよく知っている。無くした鉄の斧について神様の問いに正直に答えると、金の斧がもらえるという話だ。今回も同じ流れだとすれば、正直に申告した私には最高スペックのスマホをくれてもいいくらいなのに、それが没収だなんて意味不明・・・。  とりあえず学校に行ったものの、スマホ依存の私は何もやる気が出なくなった。とにかく実人(さねと)君と連絡が取れないのが不安でしょうがない。何とか放課後まで耐え、私はクラスメイトの亜希(あき)にこの件を相談した。 「あはははははは!」  亜希に本気で笑われた。 「里奈(りな)。行ってみようよ、その場所へ」              *  二人で、私がスマホを落とした湖の畔に来た。 「こんなに浅い湖なら、落としてもすぐに拾えたでしょうに。それにおじさんの話。ショックで夢でも見ていたのね」 「おじさんは本当に現れたんだよ!」 「不思議だね~」  亜希は笑いをこらえながら言った。 「ねえ、亜希のスマホって防水?」 「今時のってみんな防水じゃないの?」 「見せて」  私は亜希のスマホを手に取った。そして、そのスマホを湖に向かって投げた。 「里奈! 何するの!?」  亜希のスマホはポチャン音を立てて湖に沈んでいった。  
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