金のスマホ

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         -3- 「里奈(りな)! 何てことしてくれるの!?」  亜希のスマホが落ちた湖面に波紋が広がった。 「ごめん。また、あのおじさんが現れないかなと思ってさ」 「ああ、私のスマホが・・・」  ブクブクブク・・・。スマホが投げ込まれた場所から泡と霧が噴き出した。 「来たね!!」 「何あれ~!?」  例のおじさんが霧の中から姿を現した。そして言った。 「あなたが落としたのは金のスマホか、それとも銀のスマホか」  おんなじセリフ。でも、おじさんは右手に「私の」金のスマホ、そして左手に亜希のスマホを握りしめていた。 「おじさん、亜希のスマホを返してあげて! もちろん私のもだけどね!」 「もう一度聞く。『亜希』が落としたのは金のスマホか、それとも銀のスマホか?」 「私のは『レッド』です・・・!」 「亜希は嘘をつきましたね。スマホは渡しません」 「おい、おじさん!! 嘘じゃないでしょ!? おじさんがなにげに左手に持ってるレッドのスマホ、それ亜希のでしょ!?」  私が叫んでも何も言わず、おじさんは湖に消えていった。
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