金のスマホ

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       -5-  私たちは湖の(ほとり)に来た。 「実人(さねと)君のスマホ、防水だよね?」 「俺のスマホも湖に投げ入れるつもり?」 「いえいえ、そんなことは・・・」 「それっ」  不意に実人君が白いスマホを湖に投げ入れた。するといつもの湖面から泡と霧が出て、おじさんが登場した。  「あなたが落としたのは『銀のスマホ』か『白のスマホ』か?」  おじさんのセリフがいつもとは違っていた。 「両方とも俺のだけど」 「えっ?」 「それでは、あなたに銀と白のスマホをお返ししよう」  おじさんは岸まで近づいて実人君に銀と白のスマホを渡した。 「どういうこと?!」  私は実人君に訊いた。 「俺もここでスマホを落としたんだ。銀のスマホをね。その時は、おじさんは現れなかったけど」  おじさんが袖から何かを取り出した。金のスマホだ。 「これは里奈にお返ししよう」  おじさんは私にスマホを返してくれた。 「おじさん。どういうこと?? 何で今さら・・・」   おじさんは何も言わず、いつものポジションに戻り、湖の中に消えていった。 「おじさん、ありがとう!」
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