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一ノ瀬ひなき
彼女の名前は、一ノ瀬ひなき。
いつもにこにこと笑っているイメージだった。大きい瞳に長い睫毛。栗色で少し癖っ毛フワフワのロングヘアだけど、ちゃんとアレンジして纏めている。色白の細い手足に夏のブレザーがよく映える。彼女は、誰から見ても美少女で、よく男子生徒の間で「可愛い」「彼女にしたい」と聞いた。
とある日。
いつもと変わらない学校からの帰り道。並木道の先に、彼女の姿をみつけた。
『一ノ瀬?確かここ、通学路じゃなかったはずだけど…』
不思議に思っていると、彼女の横に小さい女の子がいた。彼女を小さくした様な可愛い子。
『妹…?妹だとすると随分、年が離れているのか。も…もしかして彼女の子どもだったり!?』
以前から、彼女は部活にも入らず、学校の授業が終わると早々に帰宅していた。「彼氏がいるのか?」なんて噂があったけれど、実際に男と歩いている姿どころか、街中で見ることもなかった。
彼女は一体……??
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