ひなき中学2年〜現在

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その後、病院へ着いた後、医師に話をされた。 『ご両親は、交通事故でお亡くなりになりました』 と。 その後、祖母がこはるを抱きながら病院へきてくれた。私がこはるのミルクをあげてる時、祖母が「子どもが遺体確認なんてするものでない」と言い、霊安室へ入っていった。 『本当にソコにいるのは両親なのだろうか』 『本当は、何かの間違いなのではないか』 どんなに思っただろう… そして、祖母が霊安室から出てきたとき、淡い期待は期待でしかなく『願いは叶わない』と現実を知った。祖母の目には涙が浮かんでいたが、その時私は悲しいはずなのに、何故か涙が出なかった。 そこからはお葬儀や手続きやらで、悲しむ暇もなく私と祖母は動いた。既に80歳を過ぎた祖母に申し訳ない、私に出来ることは私がしなきゃと必死だった。こはるのお世話も進んでやった…やるしかなかった。 こはるは、パパとママが亡くなったことを分からないのだ。時々、「パパァ!マァマー!!」と叫びながら泣くのを、ただただ抱きしめ慰めた。ご飯も作り、洗濯や掃除をした。 そしてお葬儀後、極少量の荷物だけもって祖母が私とこはるの元へ引っ越してきた。 「ひなき、1人じゃないからね。歳とっちゃったけど、ババがいるから。1人で我慢するんでないよ。一緒に暮らそう」 私の手を、祖母のしわしわの小さい手が包み込む。こはる以外に人の温かさに触れたのは、両親が亡くなってから初めてだった。 張り詰めていた糸が急にプツッと切れて、私は祖母に抱きしめられながらいつまでも泣いた。
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