ひなき中学2年〜現在

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祖母が来てからの3人暮らしは、私の心を暖かくさせた。両親がいない寂しさはあったが、祖母がたくさん話しを聴いてくれた。生活面では昔ながらの知恵を教えてくれたり、ベランダでできるガーデニングを教えてくれた。自宅でプチトマトや、ピーマン、しそを植え、収穫までの過程も楽しく出来た。気付けばこはるもたくさん話しをする様になったり、ガーデニングをお手伝いするようになっていた。 そして、中学3年。ハラハラと雪の舞う冬。私は、推薦制度のある高校を受験した。すぐに働きたかったけれど、祖母が「ちゃんと教養をみにつけ、普通に高校生活を送ってほしい」との事で、高校へ行こうと思った。 受験合格発表の日、ゆみとみゆきも同じ高校を受験していたなんて知らず、ただビックリ。理由を問うと 「高校なんてただの通過点。自分次第で、将来どうにでもなるよ。私が今したいのは、ひなきを何からも守りたい」 「私は、将来とか分からない…その内みつけたいと思う。けど、今私もしたいことは、ひなといることなの!今しかできないの!!」と。 他にも行ける高校や行きたい高校があったかもしれないのに… 「もう…ゆみ、みゆき、お人好しすぎだよ。ありがとう、嬉しい…」 両親を亡くし祖母の前で泣いた以来、初めて友達の前で泣いた。ついでに3人合格した嬉しさもあって、抱き合いながら更に泣いたっけ。 祖母がいて、こはるがいて。 私のことを大切に思ってくれる友達がいる。 私は、周りの人達に恵まれてる。 だから、私も大切に思ってくれる人達を、大切にしたい。 私は、そう思うようになった。
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