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彼は、地方のマラソン大会に出場するつもりであった。地方といっても東京都と北海道はほとんど差はない時代であった。市営陸上競技場で出会ったAIロボットも出場するのかと知ったので気合が入った。
「あれには竜二なら勝てるよ」仲間のランナーは言ってくれた。
彼は自信がなかったが勇気つけられた。
あの走りはただものではない、と彼は不安であった。正確なペースを保もち続けて走ることは人間でもできる。ロボットはオリンピック選手より正確なペースで走ることはできたのだ。
というか人間にはできない走りであった。
アスリートというものは負ける時はわかるものなのだ。
「がんばれ竜二」と沿道から声援がかかった。
それでも不安だった。竜二はペースを上げてみた。それでもついてきたのであった。
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