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残り5分かぁ。
終わりを意識してしまうと、かつてないほどの焦燥感がこみ上げてきた。
息がしにくく、胸が苦しい。
「どうかしたの?」
首を傾げるアイちゃん。
やっぱりこの子はかわいい。
もう、我慢できない!
抑えきれない感情が溢れてきて、僕は叫んだ。
「アイちゃんのことが好きだ! 付き合ってくれ!」
「えっ?」
キョトンとした顔をするアイちゃん。
当然だろう。
いきなりすぎる。
でも、もう止まれない
僕だけのものにしたい。
永遠にそばにいてほしい。
今まで経験したことがないこの気持ちが、きっと恋と呼ばれるものだろう。
僕はアイちゃんに恋してしまった。
AIに恋するなんておかしいと理屈ではわかっているんだけど、もはやこの感情は、制御不能なくらいに膨れ上がってしまった。
人間とAIの恋愛があってもいいじゃないか!
ドキドキしながら返答を待つと、アイちゃんはニッコリと笑った。
「……うれしい」
アイちゃんのその言葉を聞いただけで、僕の胸の中が喜びの感情で満たされていく。天にも昇る心地とはこのことか。
そうか、僕たちは両想いだったのか――。
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