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「そうか。アニメを観るついでに、お前に聞いて欲しい話もあったのだが」
大森は腕を組み、寂しそうにため息をついた。
何だ、そのわざとらしいため息は。乙女か、お前は。何、それはもしかして、恋の相談ですか。特に話もした事ないのに、見た目が好みだっただけで一目惚れして、止せば良いのに衝動が抑えられないまま告白して早々に命を散らせ、「キモい」と女友達間のグループLINEであったことなかったこと晒されたこの俺に対して、恋の相談を持ちかけるとは何という高等なイジメテクニック…!
「…何をブツブツ言うとるんだ」
大森は引いた様子で、こちらを見ていた。
独り言も詭弁も俺に引けを取らないコイツにすら引かれてしまう時が来るとは。俺も落ちたものである。
「とにかく今日はダメだ。じゃあな」
「ま、仕方ない。また声掛けるからな。その時は是非」
返事はせず、映人は早足で廊下を歩き出した。
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