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軽くストレッチを終え、まずは腕立てからだと床に手を付けたとき、廊下から騒がしい笑い声が聞こえてきた。どうやら、他の部員が来たらしい。
映人は慌てて隣の卓球部サイドの部室の物陰に隠れた。
ドアが開き、同じクラスの西村らが入って来た。
バレー部は三年が抜けて二年生一人。残りは一年生と言う少数の部員編成だ。入る当初は、一年が少なかったら部活動は廃部になってしまうと先輩から言われた。
廃部寸前の部を立て直すなんて、青春ものにはお決まりのシチュでは無いか。そう思って、何人か同じクラスの人に声を掛けて勧誘したのが恥ずかしながら思い出される。
「あいつまだ辞めねえのかな」
映人の鞄を確認して、西村が嘲るように言い放つ。
「あんな事あって、よくやるよね」
西村と同じ中学の石田が同意する。
エースで長身の藤田、小柄な見た目通り、リベロの柳瀬は同意こそしないが、愛想笑いで話を合わせている。
「そう言えば三鷹の文化祭で石塚見たよ。他の学校の子と来てた」
着替えを終えた横田が、思い出したかの様に口を開いた。
「マジかよ、キモ笑」
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