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何がキモいんだ、西村。俺みたいな奴は他校の文化祭に行っちゃいけないって決まりでもあるのか。確かに、高校に友達いないから、同中の友達と行ったけど。でも、それは横田もだぞ。クラスに友達が居ないわけでは無いだろうが、同じ事には変わりない。
ショックと怒りに声を出してしまいそうになりながら、映人はグッと堪えて彼らが出て行くのを待った。
映人の話題は直ぐに終り、ガリガリの田中がどうやったら筋肉が付くかという下らない話題で盛り上がって、西村たちはようやく部室を出て行った。
ドアが閉まる音を確認し、映人は物陰から出ると、日課の筋トレをやる気力も起きず、練習着の上から制服を着た。
そのまま部室を出て、帰ろうと校舎の方へ歩いて行くと、体育館に向かう女子バレー部の面々とすれ違った。同じ中学の沢城幸奈もその中に居たが、気付かないフリをして、帰宅への歩を早める。
「あれ、石塚くんだよね。男バレの」
「あー、伶早に告った。俺がいるだろ君?」
「練習行かないのかな」
「何か男バレでもトラブったんでしょ。幸奈、同中だっけ?」
「え、うん…」
「中学ん時から、あんな感じ?」
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