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「ふふ。私は何と、三十三位です」
「いや、目標は達成できてないんだけど」
「いつもは下から数えた方が早いんですから。もっと褒めてください」
一緒に走ってみて改めて分かったが、あまり運動は得意な方では無いらしい。よくそれで、アイドルになりたいと思ったな。いや、だからオーディションも落ちて、自分でネットアイドルをやっていたのか。
「うん、偉い偉い」
さくらが頭を出してきたので、映人は仕方なく頭を撫でてやった。
「投げやりですね。ま、良いですけど」
「取り敢えず打ち上げ、しよっか。まだ編集終わってないけど」
根津にこってり絞られていた戸川と大森も合流してきた。
「では、行きましょう!」
さくらは走り出した。終わったばかりだというのに、元気な奴だ。確かに、荒井先生の言うように、少し彼女も変わったのかも知れない。俺と同じように。
「早くしてください。いつまで寝てるんですか」
映人は横山の豪腕に無理矢理抱き抱えられ、何とか立ち上がった。
さくらは大森たちと笑いながら、何やら話している。
もう自然に、笑えてるぞ。だから、大丈夫。復讐、成功だ。
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