あおむらさきっ!

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 その様子を見ながら、映人は自分に言い聞かせるかのように、心の中で呟いた。        × × ×  マラソン大会が終わって、クリスマス、年末年始と、あっという間に時は流れた。  一年生の終わりも近づく三学期、投稿したマラソン練習のメイキング動画を観ながら、映人と戸川は部室でお茶をしていた。  結局、さくらはネットアイドルを辞めてしまった。マラソン大会以降、噂はすっかり影を潜め、俺たちのパートナー関係も終わりを告げた。  いつも通りの何も無い日常だ。変わったと言えば、妹の和花が志望の高校に無事合格した事くらいか。 「これで良かったのかな」  戸川の用意したクッキーを頬張りながら、映人は思わず呟いた。 「お前はよくやったよ」  戸川はそう言って、パソコンのマウスを動かす。見ると、新しいバージョンのメイキング動画が、野川北高校学校映像研究会のアカウントでアップされている。 「何だよ、これ」  それまでとさほど変わらない内容ではあったが、最後に彼女を説得した際の恥ずかしき映人の黒歴史が追加されていた。
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