0人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺だって変わりたい。やっぱ諦めたくない。ちゃんと日高さんを最後まで撮りたいし、一緒に復讐したい!」
一気に恥ずかしさが込み上げて来て、映人は戸川に詰め寄った。
「何で入ってんだよ」
「この方が良いと思ってな。冬休みに追加したバージョンを編集したんだ」
戸川は自慢げに、眼鏡を直す仕草をして言った。
「良くねえわ。それに事件起きたらどうすんだよ、ストーカーとか」
「さくらちゃんはもうアイドルじゃ無い訳だし、しばらくしたら、動画も消さないといけない。せめて、自分らの実績とやらを残しておこうかと。それに限定公開にしてあるから、俺ら以外観られないよ」
「あのなぁ、これが実績になるのか」
戸川は映人に、デジカメを手渡す。
「何だよ」
見ると、女子生徒と楽しそうに弁当を食べているさくらの写真だった。
「アイドルを辞めても、彼女の人生は続く。十分お前の実績だよ」
「……良い写真だな」
「アイドルの時より、良い笑顔だろ」
心の底から笑っているさくらの笑顔を見て、映人はこちらまで嬉しくなってきた。
「大森は死んでるけどねぇ」
最初のコメントを投稿しよう!