0人が本棚に入れています
本棚に追加
幸奈たちはケーキと紅茶、映人はコーヒーを注文し、店内をそわそわしながら眺めていると、
「何、緊張してんの?」
バカにしたように笑って、和花が話し掛けてきた。
「そんなんじゃない」
「アッキー、こういうとこ行かなそうだもんね」
「そ~なんですよ。彼女もいないし、毎日映画かアニメ、読書か漫画、ゲームの悲しいオタ活人生なんです。春休みは特に酷くてですね」
事実なんで反論はしないが、わざわざ沢城の前で言わんでも良いだろうに。どこまでSなんだ、ウチの妹は。
「あはは、春休みは部活無いんだっけ?」
「まぁ無いに近いな。あっても、家でやってる事を大森たちとやるだけだし」
日高さくらが入部して、一応部員は五人となり、正式に部としての承認を得る事が出来た。そこまでは良かったのだが、一人増えたところでやれる活動は限られている。
前みたいにアイドル動画を撮るわけにも行かず、結局いつも通り映画やアニメの鑑賞会をやって駄弁るだけのサークルと化していた。
「日高さん、入ったんだっけ? どう、上手くやれてる?」
最初のコメントを投稿しよう!