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「その辺は大丈夫。お前のおかげもあって、あいつらも何も言ってこないみたいだし」
マラソン大会当日、噂を流していた子に絡まれた際、幸奈が助けてくれたのを、さくらからは何度も聞かされていた。
「そう、良かった。本当に何も無いんだよね?」
幸奈が疑いの目を向けてくる。
「え、何。お前まであの噂信じてたの?」
「そういう訳じゃ無いけど、あのメンバーの中に女の子一人じゃん、何か心配」
「ですよね。カメラ持って知らない女の子に話し掛けるなんて、フツーにヤバいでしょ」
和花はこの前の恐怖体験がまだ、トラウマな様だ。無理も無い。知り合いじゃなかったら、警察に通報しているレベルだ。
あん時は大変だったなぁ。しばらく、俺とも目を合わせてくれなかったし。
「彼女スゴい頑張ってたよね、三十三位だっけ?」
十五位だった人が言うと説得力に欠けるのだけれど。まぁ運動部でも無い子が、あそこまでの好記録を出せたのは素直に凄い事だ。
「アッキーたちも頑張ったおかげだね。毎日一緒に走ってたでしょ」
「詳しいな」
「だって、配信してたじゃん。結構話題になってたよ。一位獲る宣言もしてたし」
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