あおむらさきっ!

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 案外みんな観ているもんなんだな。あれだけ盛大にやらかしていれば、当然か。 「おかげで終わった後大変でしたよ。帰って来てから風呂にも入らないで、そっこーリビングでイビキ掻いて寝てましたから」  店員がケーキと紅茶、コーヒーを運んで来た。おかげでこれ以上、恥ずかしい裏話を暴露されないで済みそうだ。  普段はミルクとガムシロを大量に入れる甘党の映人だが、幸奈の手前もあって、ブラックでストローに口を付ける。 「うわ、何格好付けてんの。お兄ちゃん」  あざとくそれを見つけた和花がツッコミを入れてきた。  映人は思わず咽せてしまった。余計な事言わんで良いから、これ以上。 「そう言えば良いのか、合格祝い」  服や高校で使う文具などは買っていたが、合格祝いとして買ってと頼まれる事は無かった。 「いやいや、十分頂いたので」  そう言って、先程三人で撮ったプリクラを出してきた。え、これで良いの? 「それに当然ここも、お兄ちゃんの奢りでしょ。ごちそうさまです」  あ、そういう事ね。物欲よりも、食欲でしたか。和花さまは。 「幸奈ちゃんの分もね」 「はいはい」
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