あおむらさきっ!

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「ああ、まぁな。映画撮れてないから、何とも言えんけど」  地獄だった数ヶ月前に比べたら、人間関係は概ね良好。部活とバイト、それだけ居場所があれば、クラスで浮いているのも我慢が出来るというものだ。 「そっか。何人いたら、映画って撮れるの?」  映人は幸奈の質問に、指を折りながら、 「どうなんだろ。監督、カメラ、撮影、録音、美術、衣装、メイクに助監督。本格的にやると全然足りないな。役者も必要になるし」  商業では無いので、出来るだけ予算は抑えたい。となると、役者も部員か知り合いであるのが理想と言える。ウチの学校は演劇部が無いので、最悪内トラになってしまう。 「結構いるねえ。でも、ハリウッド映画とか観てるとエンドロールすっごい長いもんね」  まぁあれだけの規模の物は流石に無理だけどな。人数多いのに越した事は無いけど。 「色々兼業するしか無いんだろうな。現実的に考えて」 「なるほど。じゃぁアッキーが役者やるって事もあるのか」 「考えたくないけど、あるかもな」  北野武やジャッキー・チェンならいざ知らず、自ら監督する作品に自分が出ている姿を想像するのは、正直苦痛でしか無い。
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