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各国が説得していた核戦争が勃発したのが約半世紀前。核なんて地球が滅びるだけなのに、外交の切り札として保有する国が後を絶たず、結局保有だけにとどまることができず使用するに至ってしまったのだ。そのせいで、一時期100億まで増加していた人口は2123年現在、世界中合わせても1億人。生き残った人類がどうやって今の暮らしを維持してきたかというと、AIロボットだ。発達したAIロボットが今まで人間が行ってきた大部分の仕事を行うことにより、失った労働力を補った。AIロボットのおかげで人類はまたかつての生活水準を取り戻し、またそれまで以上の豊かさを手に入れた。ただ、現在AIロボットの数は人類よりはるかに多い80億体。当初は生きていくために必要最小限の使用であったが、あれも必要、これもあると便利というふうに欲望と好奇心に任せてどんどん研究開発され増え続けた結果、AIの方が人類をはるかに上回る数となってしまったのだ。
だから人類向けの作品の需要よりも、AI向け作品の需要の方がはるかに多い。私のような中途半端な才能の漫画家はAI向け作品を書いて小銭を稼ぐしかないのだ。
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