1億通りのストーリー

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 ちなみに私のアシスタントである小雀ちゃんは人間ではない。私に人間を雇うお金はない。小雀ちゃんはAIアシスタントロボである。小雀ちゃんがアシストしてくれるのは作業だけではない。  小雀ちゃんは私が行き詰まると手を止めて私を鼓舞する言葉を発してくれる。あるいは、私の気持ちを代弁し、私が感情を爆発させるのを防いでいる。AIに助けてもらいながら、AIによってコントロールされ、AIを発達させ、いずれAIに仕事を奪われる。  けれど、そんな私でも筆をとめ、ふと考える時がある。もし、このやめたくてもやめられない、人間の性をAIが理解した時、AIはどういった行動をするのだろう。
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