これからもよろしく - 覚醒したわたし -

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どうして正美は淳子の言うことばかり優先するのか。 文化祭の折り、4人で決めていたことを淳子が別の場所が いいと言い出し、行き場所が別の場所になる。 私は淳子に対して怒り、正美にはどうして私の方をちっとも 向いてくれないのだろうと、悲しくなった。 淳子の何度目かの気まぐれにいやいや付き合おうとした私に、 今までどんなことにも私たち3人に付いて来てた知子から手紙が 渡された。 知子はいつも客観的に私たち3人の恋模様じゃないけれど、友達の振舞い を見ていて、彼女もまた胸の内にいろいろと思うところがあったのだろう。 彼女は他の2人よりは若干親しめの私に手紙で選択を迫ってきたのだった。 淳子に振り回されている正美や淳子寄りでいるのなら、自分は グループからも私からも離れる、という内容が綴られていた。 周囲の友達の意見など尊重することなく、自分の我儘を通す淳子。 淳子のことが好きな正美は振り回されても淳子のいうことに進んで従う。 正美に振り向いてほしい私は不満に思いながらも、その2人に追随 してきた。 私は手紙を読んで雷に打たれたような感覚に襲われた。 振り返れば知子に対して、私は冷たかったかもしれない。 とにかくこの時の私は正美のことしか眼中になかったのだ。 正美が淳子しか見つめていないように・・・ 私が正美しか見えていなかったように・・・ 知子が私をずっと見ていたことを知った。 思いがけない彼女からの気持ちの吐露に、私は突如として 覚醒した。 その日を境に、私は知子のことをもっと知りたいと思うようになった。 こんな私を友達に選んでくれてありがとう。 これからはあなたのことを大事にするからね。 私は心にそう誓った。     ――――― おわり ―――――
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