5人が本棚に入れています
本棚に追加
どうして正美は×淳子の言うことばかり優先するのか。
文化祭の折り、4人で決めていたことを×淳子が別の場所が
いいと言い出し、行き場所が別の場所になる。
私は×淳子に対して怒り、正美にはどうして私の方をちっとも
向いてくれないのだろうと、悲しくなった。
×淳子の何度目かの気まぐれにいやいや付き合おうとした私に、
今までどんなことにも私たち3人に付いて来てた❧知子から手紙が
渡された。
❧知子はいつも客観的に私たち3人の恋模様じゃないけれど、友達の振舞い
を見ていて、彼女もまた胸の内にいろいろと思うところがあったのだろう。
彼女は他の2人よりは若干親しめの私に手紙で選択を迫ってきたのだった。
淳子に振り回されている正美や×淳子寄りでいるのなら、自分は
グループからも私からも離れる、という内容が綴られていた。
周囲の友達の意見など尊重することなく、自分の我儘を通す×淳子。
×淳子のことが好きな正美は振り回されても×淳子のいうことに進んで従う。
正美に振り向いてほしい私は不満に思いながらも、その2人に追随
してきた。
私は手紙を読んで雷に打たれたような感覚に襲われた。
振り返れば❧知子に対して、私は冷たかったかもしれない。
とにかくこの時の私は正美のことしか眼中になかったのだ。
正美が×淳子しか見つめていないように……
私が正美しか見えていなかったように……
❧知子が私をずっと見ていたことを知った。
思いがけない彼女からの気持ちの吐露に、私は突如として
覚醒した。
その日を境に、私は❧知子のことをもっと知りたいと思うようになった。
こんな私を友達に選んでくれてありがとう。
これからはあなたのことを大事にするからね。
私は心にそう誓った。
――――― おわり ―――――
最初のコメントを投稿しよう!