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カイはトラックの助手席に乗せてもらい、悪路をひた走った。石に乗り上げるたび、振動で尻が浮き、頭が天井にぶつかりそうになる。
運転手は見たところ40歳くらいの中肉中背の男で、世間話もせず無言な人物であった。
「なあ、何が積まれているのか教えてもらいたいのだけど」
運転手は首を振り、手を伸ばして狡そうな笑みを浮かべた。
そういうことか。
カイは賄賂の紙幣を運転手の片手に乗せる。
運転手はにんまりとし、座席の隙間から納品書を取り出し、カイに手渡した。
納品書は英語だ。カイはさっそくページをめくる。
最先端のIT機器が積まれているようだ。見たことのない半導体が記載されている。もしかしたらアメリカから兵器転用防止のため輸出規制されている製品なのかもしれないが、カイには分からない。だがCIAには簡単に看破されるだろう。なぜD国への侵入がCIAではないのか疑問が湧いた。CIAならば禁輸品の特定などたやすいだろうに。
最終ページは医薬品リストだった。
カイは意外な内容に思わず「えっ」と声を漏らした。
精神賦活薬、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠導入剤。
一つの村が輸入するには種類が偏りすぎている。普通は解熱鎮痛剤や抗生物質がメインになるはずだ。『エリア52』には精神病院でも併設されているのか。
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