想定外

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「わーってるよ」  すぐ近くにある充の顔は、優しく妖しく微笑む。  分かっているなら、どうして?  疑問の答えは、すぐに下りてきた。 「今から味わうのはお前だよ、仁奈」 「っ!」  また言葉を詰まらせてしまった私に、充は眉尻を下げて「ダメか?」と確認してくる。  そんな顔されたらダメなんて言えない。  それに、やっぱり嫌じゃないから……。 「……ん、あんがと」 「ぁんっ……」  良いよの合図に口を開けたら、また深いキスが始まった。  私を味わうと言った言葉の通り、優しく充の舌が口内を舐めとっていく。
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