プロローグ 彼の思惑

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プロローグ 彼の思惑

■プロローグ 彼の思惑  いつになったらあいつは気付くんだ?  昔から鈍い方だとは思っていたけど、俺がアピールし始めて何年たったと思ってやがる。  高校に入って、バスケ部のエースになって、俺がモテ始めた去年のバレンタイン。  大量のチョコを見ても嫉妬する様子もなかったあいつ。  お前はくれねぇの?って遠回しに欲しいって伝えたのに、義理ですら用意してないとか。  しかも。 『代わりにこれあげる』  って、ポテチを投げてよこすような女。  あのときはもういっそ駆け引きとか無しにして押し倒してやろうかと思った……。  まあ、何とか思い止まったけど。  あれから一年。  事あるごとに俺は好意を示して来たのに、過保護なんだからで済ませる幼馴染。  どうせ今年もチョコの用意なんかしてないんだろう。  だから俺はひとつ思いついたことを試そうと思う。 『俺、甘いの無理なんだわ』  そう言って、スナック菓子の方が好きだからそういうのくれる子が好きって。  どうせまたポテチとか持って来るに違いないから、そういうスナック菓子をくれたお前が好きだって言ってみるかな?  まあ、また変な勘違いされるだけな気もするけど。  はぁ、ホント。  いつになったら気付いてくれんのかね、あいつは。 終
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