アバターカメラ

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アバターカメラ

 フィルムカメラが入荷した。自分でフィルムを出し入れし、専門店にそれを持って行って現像してもらうものらしい。 「昔はひと手間かかってたんですね」 「そんなに昔じゃないよ」 店長はなぜかいじけている。笑いながら店長にカメラを向けて、ファインダーをのぞき込んだ。驚いたことに、店長がアニメ調の可愛い女の子に見える。 「それ、被写体にいろんなアバターが被せられるんだよ。Vtuberも無い時代に作られたのに、不思議だよね」 そう言って、店長は小首をかしげて両手でピースサインを作った。 「僕はどんなふうに見えます?」 カメラを店長に渡しながら言った。店長はファインダー越しに僕を見て一言。 「生足ハイヒールの、マグロ……?」
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