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「野島は休みだったな」先生が教室を見渡し言った。
野島君は委員長だ。勉強は良く出来るのだが、身体が弱く、時々学校を休む。
「副委員長の伊藤、昼休みにでも向井君に学校を案内してやってくれ」そう言って、私を指名した。
「はい」役割上しかたが無いのでそう言ったが、正直迷惑だった。
「副委員長、よろしく頼みます」アイツが言った。
気にしなければ良いのだろうけど、軽いイジメなどは日常茶飯事だ。明確な理由などない。なんとなくの切っ掛けから、みんなの雰囲気でイジメ対象が決まってしまう。
テレビのニュース番組で、イジメの原因はストレスだと聞いた。ストレスのはけ口として弱い部分(人)を集団で攻撃してしまうらしい。
委員長の野島君とは中学1年の時も同じクラスだった。彼は茨城県出身で中学入学と同時に東京へ来た。最初少しだけなまっていただけなのに「へんな言葉を話す奴」と言われ、話しかけても無視されるなどして、イジメられた。
現に、今も今年着任した社会科の教師が秋田出身で少しなまっているものだから、授業中に生徒からからかわれて困っている。
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