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別れは突然にしてやってくる
毎日“アイ”と居ると、何だか生きるのが楽しくなる。
最近は朝早く、すっきりとした目覚めが出来るようになって、
生活リズムも整ってる。
「“アイ”、今日の朝ごはんは?」
『今日ハ目玉焼キデス。』
最近は、被験番号1って長いから、
“1”の部分をとって、更にいつか聞いた“1”の由来、
“1”は語呂合わせで“アイ”になるらしくて、
前のご主人さまが“アイ”って名前だからとか、色々聞いたんだけど、
そこから“アイ”って呼ぶようになった。
『秀サン、今日ハ夕飯要リマスカ?』
「要らない。最近ずっとこんな感じでごめんね?」
『イエ。忙シイノハ良イ事デス。』
最近は人間関係の面でも忙しく、
“アイ”の善意に甘えてしまうことが多かった。
でもある日、久しぶりに俺に休みというものが訪れた。
うっひょーい、と浮かれていると。
『デハ秀サン、家事ノ仕方ヲ教エマショウカ。』
「え。」
いきなり家事を俺に教え始めた。
いざ取り掛かってみると、意外にもスムーズに進む。
『キット秀サンハ、ワタシノ普段ノ様子ヲ見テ“学習”シタンデショウ。』
『ホラ、ワタシミタイニネ。』
ロボットなのに、笑いかけてくる様子がよく伝わる。
「ありがとう、でもどうしていきなり?」
『実ハ......イヤ、、イツカ分カルデショウ。』
「え〜、もったいぶらないで教えてよ!」
『良イカラ早ク寝ナサイ。』
気づけばあっという間に夜。
「おやすみ、また明日ね!」
『.....エェ、マタ、明日。』
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