非恋愛体質の私が堕ちた彼の秘密

お弁当

「お大事に」

今日最後の患者さんが帰られた後の待合室で、ブラインドを下ろすボタンを順番に押しながら、昨日友人とやった

恋愛体質度診断

の結果をふと思い出した。

＝＝あなたの恋愛体質度は10％以下です。
恋愛体質どころか、心のどこかで恋愛に対して拒絶感のようなものを感じています。異性といい雰囲気になり、恋のチャンスが生まれても自分から遠ざかってしまう非恋愛体質です＝＝

「「当たってる」」

昨日ファミレスで友人と声を揃えた私は立木詩歌(たちきしいか)25歳。この“ななみ歯科クリニック”で働いている。

仕事は受付。本来は、歯科衛生士でなくても出来る範囲のアシスタントをするはずだったのだが、血を見て倒れたので断念した。昔から歯医者は嫌いでないのに助手にはなれず残念無念。

患者さんが来られたら受付をして、ふたつある診察室のうちどちらかに案内をして紙エプロンをつける。そしてスピットンに紙コップを置いてお口をゆすいでもらうまでは私の仕事。

あとは会計、予約管理、電話対応と待合室、玄関の掃除なども私がする。