Day.20 甘くない

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Day.20 甘くない

何事もなかったように、数日が経った。兄はあの夜のことについて一切話さず、先生も普段通りだ。でも私は元から怪我をしていた鼠のことが気がかりで、鴉の言葉も忘れられない。鴉がくれた珈琲豆から作った珈琲ゼリーは、いくらシロップをかけても甘くならなかった。明日から夏休みが始まる。
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