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寧推の日常 2
・ ・ ・
「…、……さん」
偉鳥…。
なんで私、そんなこと言っちゃうの…?
ねぇ………。
「…さん、勝木屋さん、勝木屋さん‼」
「ひゃいっ?!」
東偽先生に名前を呼ばれ、私はびくりと飛び上がった。
何故か、教科担任の先生は私の席の真ん前に立っているし、みんなも私のことをじっと見つめている。
…やばい、私、なんかやらかした!?
「授業中に寝るとはどういうことですか‼」
ウソ、私、寝てたの!?
「はい…?寝て、ました……?」
私の発言の何がいけなかったのかよくわからないが、みんながその言葉を発した途端ざわざわとした。
「寝てましたー?じゃないんですよ‼ええ貴方は寝てました。寝てましたけど…それは必然なことではなく、校則違反だとご存知無いのですかっ??一般科だからといえ、ここは名高き名門、爾学院です。そんな爾生が授業中に寝ている?しかもそのことに反省すらしていない?巫山戯るなと言ってやりたい」
やばい、このままだと、名前忘れちゃったけどこの先生の言いなりになっちゃう。そんなのは真っ平ごめんだ。
「あーそういうのいいんで。それより、早く授業再開してもらえます?」
「ハァ?お前…何言って…」
「私のことは、あとで怒ればいいですよね。授業時間、あと五分しかないんですよ?その時間を無駄にするとか…凄い勿体無いと思うんですけど。ほら、言ってましたよね、一学期のオリエンテーションの際みんなに一言ずつ意気込みを言わせた際、『私は、一分たりとも無駄な時間が無い授業を皆さんにお届けすることをこの一年成し遂げようと思うわ』って。やってることと言ってること、矛盾してません?」
強気で言い返すと、東偽はぎりり、と歯軋りをした。
「勝木屋さん…覚えてなさい…」
そう言って、教卓の前へと戻った。
授業が再開し、訳のわからない話をしながら板書をする東偽先生がするのを必死に聞き、板書を取る。
キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン…
「起立。礼」
「「「ありがとうございましました」」」
授業時間が終わる。
東偽先生が教室を出たのを見ると、私は小走りで偉鳥のもとへと駆け寄った。
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