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寧推の日常
新学期2日目のある日。私は、母の怒声で目を覚ました。
「ちょっと寧推!!いい加減、起きなさい!!…何時だと思ってるの?新学期早々遅刻とは、みっともない以上の何者でもないわっ。とっとと、起きて、学校に、行けーっ」
五月蝿いなぁ…
そう思いつつ目を開け、推しのメンバーカラーの、推しの写真がプリントされたお気に入りの目覚まし時計は、午前5時17分を指していた。
なーんだ。まだ、5時17分じゃん。
まだ寝ていたかったが、母は一度怒らせると歯止めがかからなくなり、鬼のごとく怒り狂うことが脳裏をよぎった。
母に朝から怒られるなんて、真っ平ごめんだ。
私は体を起こしてベットから降り、ん〜と一つ伸びをする。
「おはよ」
「…おはよう。やっと起きたのね」
なんだか地雷を踏みそうな予感がし、怖い、という気持ちが私の中をぐるぐる駆け巡っていたが、普段どおりを装って母に話しかける。
「…うん。てかお母さん、早起きだね」
ぷちり、と堪忍袋の緒が切れたような音が、したような気がした。
「ハァ?何が早起きだね、だぁ?そんなこと言ってる暇あったら、とっとと学校に行けや。あたしは普通。お前が遅いんだよ」
やはり地雷を踏んでしまったようだ。
が、はぁぁぁ、と溜息を付いたら、余計地雷を踏むことはわかりきっている。
「ハイハイ、わかったよ」
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